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2025/02/27 15:56

ワークショップで見えた「子どもの感覚」のすごさと、栄養の本質

子どもたちは本能的に「自分の体に必要なもの」を感じ取る力を持っています。 以前開催した野外授業でも、それを実感する場面がいくつもありました。

大人は「バランスのいい食事を食べさせなきゃ」「これが体にいいから食べなさい」と思いがちですが、本当に大切なのは 子ども自身が自分の感覚で選ぶこと です。 それが個(子)への 「リスペクト=尊重」 につながり、食事を通して**「自分を信頼し大切にする力」** を育てることになります。

当時の授業の内容を振り返りながら、子どもたちの感覚と栄養の本質を見ていきましょう。



子どもたちは「本能的に」必要なエネルギー源を知っている

ワークショップでは、子どもたちにいくつかの食材を並べて「今食べたいもの」を選んでもらう実験をしました。

すると、面白いことに、たくさん動いた後はバナナやおにぎりを選ぶ子が多く、 逆に、じっとしていた時間が長かった子はナッツやお豆腐などを手に取っていました。

彼らにとって健康・栄養価値といった概念はもちろんありません。 選択の基準は 「美味しい、面白い、楽しい」 の3つであり、それらが 「糖質がエネルギー源になる」 ことを本能的に知っていたのです。

✔︎ エネルギー源としての糖質

  • 走る、遊ぶ、学ぶ → 糖質が必要!(おにぎり、バナナ、さつまいもなど甘くて美味しいもの)

  • 体を動かした後、糖質を補給しないと疲れやすくなる

  • ただし、「砂糖たっぷりのお菓子」はエネルギーの持続力が低い

この気づきを大切にすると、「何を食べさせるか」ではなく 「子どもが何を選ぶか」に注目することの大切さ が見えてきます。


「お腹が空いた=成長のサイン」親ができることは?

タンパク質は体を作る「材料」であり、何がタンパク源になるかは体質により違います。

「どの食材が筋肉や骨になると思うか?」 という問いに対し、シンプルに 肉、魚、豆 といった素材をイメージする子供が圧倒的に多いのです。

バイタリティの源は動物性タンパク質であり、幼少期の体や骨格形成にとって多くの場合必要な栄養素となります。 加工度が少なくエネルギーを感じられる食べ物は、子供の体の中で新たな流れを生み出します。 もしかすると彼らは、自然界における命の循環を直感的に理解していたのかもしれません。

✔︎ 体を作るタンパク質

  • 成長期の子どもは、「お腹が空く=体が成長しているサイン」

  • 動物性と植物性のバランスが大事(豆、ナッツ、魚、大豆製品など)

  • 「食べたい」と思ったものを信じることが大切で選択肢を与える

「全てを大人が決めるのではなく、子どもが感じ取る力を信じること」が大切だと気付かされる瞬間です。


「食べること=自分を知ること」子どもに判断を委ねるというリスペクト

大人は、つい 「これを食べなさい」「これは体にいいから」 と決めがちですが、 「自分の体に必要なものを選んでみよう」というアプローチを取ると、 子どもたちはただ適当に選ぶのではなく、 「今、自分が何を求めているか」を考えながら想像力を使って選んでいきます。

これは「食べること」が、自分を知ることにつながる ことを示しています。

✔︎ 親ができるサポート

  • 食べるものを押し付けない(「これが正解」と決めつけない)

  • 「何を食べたい?」と聞いてみる(子どもの選択を尊重する)

  • いろんな食材を並べて「選ぶ体験」を増やす

「何を食べるか決める力」=「自分を大切にする力」です。 これは単なる栄養の話ではなく、子どもの自己肯定感 にもつながります。


食べ物+呼吸でエネルギーになる!「食べた後の感覚」を大切にする

子どもたちに「食べた後の体の感じ方」についても聞いてみました。

「バナナを食べたら甘くて美味しい!すぐ元気になった!」 「ナッツを食べたら、なんか動物になったみたいで楽しい。」

このように、食べ物が体にどう作用するか、彼らは直感的に感じ取っています。

✔︎ 食べた後の感覚を一緒に観察しよう

  • 「今の気分にぴったりの食べ物だった?」と聞いてみる

  • 「お腹いっぱいになりすぎてない?」と声をかける

  • 「すっきりした?それとも重たい感じ?」と一緒に考える

こうしたやりとりを積み重ねることで、子どもは食べ方を学び、自分の体を知ることができるのです。


ワークショップを通して得た学び

⚫︎子どもたちは本能的に「今必要な栄養」を選ぶ力を持っている

⚫︎食べること」は「自分を知ること」につながる

⚫︎大人は「選択肢を用意すること」、判断や選択ができるチャンスを与えることが大切

食べることは、体だけでなく「自己決定力」を育むことにもつながります。 大人ができるのは、「どれを選んでもいいよ」という場をつくること なのかもしれません。

ワークショップを通して、私たち大人が子どもの感覚をもっと信じることの大切さに改めて気づかされました。ぜひ子どもの「食べたい」をリスペクトする環境を作って欲しいなと思います。